皆さんは、DIYでどんな丸鋸を使っていますか?
丸鋸ってカタログ見てもいっぱいあって、どれが何なのかさっぱり分からないですよね。
今回は、The SeamlessLifeのDIYを強力に支える最強装備の1つ、「プランジ丸鋸とトラックレール」について詳しく紹介していきたいと思います。
プランジ丸鋸とは何か?
当初自分は、マキタのカタログとかを見てて「キッチン天板のシンクの角穴をぶち抜くための工具」だと勘違いしていました。
正しくは「合板などの大板を縦横無尽にカット出来る、家具製作に特化した丸鋸」と解釈しています。
ここで、プランジ丸鋸と一般的な丸鋸の違いを説明しておきます。
①一般的な丸鋸の特徴
プランジ丸鋸じゃない普通の丸鋸も持ってるのですが、自分が持っているのはマキタのHS611Dと言うモデル。
マキタ(Makita) 165ミリ充電式マルノコ 18V6Ah バッテリ2本・充電器・ケース付 HS611DRGX
私はこういう丸鋸を「大工丸鋸」とか「万能丸鋸」って勝手に読んでます。
※実際はそんな名称ではありません
特に大工さんがこういった丸鋸を使っていると思いますが、彼らが切りたいのは合板の大板から柱みたいなぶっとい角材から色々なもので、また切る角度も向きも、そして体制も違っていて、色々な場面を丸鋸一丁で片付けられるように作られています。
一方自分の場合、大板(3'×6'板がメイン)を床に置いて切る、というシチュエーションだけしか発生しません。
角材切る時はスライド丸鋸使うし、家を建てている訳ではなく家具を作っているため工作室以外で丸鋸を使うことはないし、ましてや高所作業で使うことなんて絶対にあり得ません。
根本的に種類が違うんです。
自分はこの工具に出会った時、「なるほど、家具には家具専用の工具があるんだな」と言うことを知りました。
一般的には「家具専用の工具」と言われて一番最初に思いつくのはテーブルソーかもしれません。
実際、プロの方の動画を見ると大抵はテーブルソーでカットしてるんですが、これ本当にガチのやつで、もはや工作機械のレベルです。こんなのDIYで使えません。
ならDIY用のテーブルソーは?あります。かくいう私も最初はこれを買ったんです。
SK11(エスケー11) 木工用テーブルソー 最大幅1000×奥行570mm STS-255ET 刃径255mm チップソー付き
で、使ってみた結果なんですが、正直話にならないレベルでした・・・。
●うるさい・・・
●集塵能力皆無・・・
●テーブルが小さすぎて大きな板載せられない・・・
●って言うか危なすぎる・・・
一度、これで大板の半分のサイズ(910mm四方)をカットしたのですが、キックバックで弾かれてケガしました。
それ以来使ってません。その頃は、やっぱり普通の丸鋸使うしかないんかなぁと思ってました。
その後Youtube動画を徘徊していた時に偶然、海外の方がKregのトラックレールの上に丸鋸載せてる動画があって、これいいじゃん!と思って調べてヒットしたのがこのマキタのプランジ丸鋸ってわけです。
②プランジ丸鋸の特徴
最初に話したように、この丸鋸は一緒に売られているトラックレールの上に載せると、そのレールに沿って自由に動くことが出来る丸鋸です。
このトラックレールを大板の上に置いて、後はトリガーを引いて切っていくと、狙った墨線ピッタリの位置で綺麗にカットすることが出来ます。
正体を知らない方は、当サイトにあるYoutube動画は大抵の場合、このプランジ丸鋸でカットしているシーンがあるので、そちらを見て頂く方が早いと思います。
自分が使ってるのはマキタの18Vのモデル(2025年10月現在)で、こちらの商品です。
マキタ(Makita) 165ミリ充電式プランジマルノコ 18V バッテリ・充電器・ケース別売 SP601DZ
この丸鋸は、トラックレールの上にあるレールにハマるようにできていて、そのレールの上をスーッと動きます。(左右方向にはズレず、長手方向にだけ動くように制限されている)
そのトラックレールは長さが3種類あって、自分はプランジ丸鋸と同時に全て購入しました。
マキタ(Makita) 長尺定規 A-66204(1900mm)
マキタ(Makita) 長尺定規 A-66195(1400mm)
マキタ(Makita) 長尺定規 A-67359(1000mm)
高いです。高額商品の部類に入ると思います。
それでも、自分にとっては間違いなく"買い"の逸品。
自分もう丸鋸は持ってるから・・・と言って手持ちの丸鋸をトラックレールに乗せて使うアダプタのようなものを使うのは、自分に言わせれば邪道極まりないです(笑)。
私は丸鋸そのものもすぐ、買い換えました。なぜなら、プランジ丸鋸本体にも色々と良い点があるからです。
あ、あと40Vのモデルもあると思いますが、自分のようにランバーコア材をメインに切る場合はまず必要ないパワーです。
バッテリーが2個使いなので36V出力ですから、まずこの仕様で問題ないと自分は思ってます。
プランジ丸鋸のメリット
(1)3'×6'(サブロク)板=大板が使える
これが最大の狙いです。3'×6'板は自分はサブロク板と呼んでいるのですが(これは恐らく一般的な呼称)寸法は910×1,820mmの畳一畳分の大きさの板で、合板の最も一般的な流通材の寸法です。詳細は下記の記事を参考にしてみてください。
この材料を使えるようになると、プランジ丸鋸で出費した分はあっという間にペイ出来ます。
3'×6'板で買うと、材料が本当に安いんです。
ホームセンターにも大抵のお店にはある材料で、配送を頼めば自宅まで届けてくれますし、いつでもどこでも安価に手に入れられる材料です。
ラワンであれば、18mm厚さで1枚3,600円(2025年10月現在の価格)。
これは数年前の写真ですが、ちょっと前までこんな値段でした。
この大板を一般的な丸鋸定規で切ろうとしても、それは無理ってもんです。だって1800mmあるんだから定規が届かないのはすぐわかると思います。
一方、プランジ丸鋸のトラックレールは最長1,900mmで、しかも別パーツ使うとジョイントして使えるのでさらに長い物も使えます。
これを大板の上に墨線に合うように置いて、後はスパッと切るだけで縦横無尽に切り刻むことが出来るようになる訳です。
(2)簡単で、かつ精度が高い
通常の丸鋸定規で木材をカットしようとすると、丸鋸の横から定規を当てるので、その寸法分、定規を左にズラして置かないといけません。
個人的にコレ、本当に嫌でした。
間違えるしズレるし、これ使ってた頃はDIYって難しいなぁって思ってました。
あと、これ強制的に90°になるんで、この定規が狂ってると(実際ちょっとだけ狂ってる)台形になってしまうんですよね・・・。
平行基準を優先したいのに!って言う時に融通が利かない。
プランジ丸鋸は、切りたい線を罫書いたら、そこにピッタリ合うようにトラックレールを載せるという人の神経を逆撫でしない、実に直感的な使い方です。
平行を優先して切りたければ、そういう風に墨線を入れればよい。こういった所もすごく、自由度が高いんです。
↓↓↓
(3)安心安全、怖くない
最初に紹介した一般的な丸鋸の刃って言うのは、刃の出具合が固定式で、一度出したら出っ放しです。
バサッと切り終わった時に、回転している刃がもろに露出していて、正直素人の自分には怖いです。
けど、プランジ丸鋸はトリガーを押すことにより刃が回転を始め、その時に初めてロックが外れて刃が出るようになります(手でレバーを倒して出します)。
レバーを戻せば刃がすぐに本体の中に引っ込むので切り終わったらすぐ刃が内部に収納される構造になってて、凄い安心感あります。
切り込み深さも手元で調整出来るようになっているので、自分は板厚と同じ出し具合にして、スタイロフォーム(※)の上で切ることで、スタイロフォームが殆ど傷つかず、何度でも使えます。※断熱に使われる硬質発泡スチロール
あと、これが本当のプランジ丸鋸の特徴かもしれませんが、途中で刃の出し入れが自由自在なので、四角くくり抜くような切断も可能です。一般的な丸鋸はこれは絶対に無理だと思います。
(4)騒音が小さく、集塵能力も高い
これは室内でDIYを営む自分にとっては極めて重要な要素です。
でも、プランジ丸鋸の特徴というより、マキタのバッテリー式丸鋸の特徴かもしれません(笑)。
刃が全方位覆われてるため(これ、なんでプランジ丸鋸だけこうなんでしょうかね)、粉塵が外に飛散せず効果的に集塵ノズルの方から吸われていきます。
なので、室内で切っていても粉塵が殆ど舞わないです。
デカい切りくずは切った木材の上に多少は飛散するのですが、全然許容できるレベルです。
因みにパワーは確か6段階くらいで調整出来るんですが、自分はいつも3段目で使ってます。
ランバーコア材を切るレベルであれば、これで全く問題ないです。
って言うか、このパワー調節機能、動かしたことないです(笑)。
これは調整出来ることが無駄なのではなく、自分の仕様に合わせて使うことが出来ると解釈してください。
(5)無線対応型の集塵機連動機能
これは地味にありがたいです。
プランジ丸鋸は別売りのBluetoothアダプタを入れることにより、丸鋸の回転と集塵機のONOFFを連動させることが出来ます(当然、集塵機はマキタの対応モデルにする必要がある)。
マキタの丸鋸の場合、プランジ丸鋸以外もついてるモデルが多いですが、大板を切る都合上、集塵機は少し離れた場所にあるため、いちいちONOFFを手動で切り替えていたら話にならないです。
あと、集塵機ってめっちゃパワー食うんで、常時ONだとうるさいし、電気代が結構ヤヴァいと思います(確か1100W位だったと思う)。
ので、今思えばこれはMUST機能だったかもしれません。付いてて良かったと心から思える機能です。
マキタさん、ありがとう。
プランジ丸鋸のデメリット
次にデメリットについて紹介します。
(1)高い
冒頭述べましたが、初期投資額が嵩みます。既にマキタの18Vバッテリーと充電器、集塵機をお持ちだったと仮定して買わなければいけないものは下記の2つ。
①プランジ丸鋸本体・・・49,000円
マキタ(Makita) 165ミリ充電式プランジマルノコ 18V バッテリ・充電器・ケース別売 SP601DZ
②トラックレール(出来れば3本すべて揃えたい)・・・21,000円
マキタ(Makita)長尺定規1000 A-67359
マキタ(Makita)長尺定規1400 A-66195
マキタ(Makita)長尺定規1900 A-66204
これに加えて集塵機との連動を考えた場合
③Bluetoothアダプタ(ワイヤレスユニット A-66151)・・・6,000円くらい
マキタ(Makita) ワイヤレスユニットWUT01 A-66151
も必要です。最低限の①+②で合計7万円強。③まで入れると7.6万円です。
これに対し、材料で浮く金額はどのくらいなのか?というと、これはどの程度作り込むか?で変わりますが自分の場合は2年経たずに元が取れてしまいました。
今まで紹介してきた家具の内、例えば下記のような家具を作ろうとすると、大板で8枚=28,800円位になりますが、これ、大板以外で作ろうとすると、例えば仮にですがビバで売ってるカット材(3'×6'板の半分のサイズ)だと1.5倍くらいの価格になるので、6万円です。さすがに木材だけで6万円はちょっと・・・と言うのが正直なところ。
先ほど紹介した3'×6'板の記事に詳細が載ってますので、良かったら見て見て下さい。
初期投資額を見ると非常に贅沢な工具を使っているように見えるのですが、メリットの時にお話ししたように3'×6'の板を使えるようになることが極めて経済的で、かつ今まで作れなかったような大型の箱もの家具をバンバン製作出来るようになると、そもそも既製品の家具を買うより凡そ半額位になる訳ですから、多分自分の場合DIYで得した金額って家具だけで100万円超えてるんじゃないかなって思います。
そう考えると、トータルで見ればお得だと思います。買う時に勇気がいりますが・・・。
(2)バッテリーが2つ必要
マキタのカタログとか見ると、やたらと分厚い素材を切るのに使ってる絵なんで、元のニーズはハイパワー指向なんでしょうね。
ので、36Vの2基掛けバッテリーになります。ここはもう製品仕様なので仕方ないです。
因みに自分はマキタのバッテリーは純正使ってないです。あんまり良くないって巷では言われていますが、少なくとも充電器とか丸鋸が壊れたことはありません。
ただ、10個買うと1つか2つ位は外れ玉が入ってて初期不良で全く充電出来ないことはありますね。
でも、購入価格考えると全然お得です。
(3)大きい、重い
これはむしろメリットかもしれません。家具向けに床で大板を切る専用の使い方なので、逆に軽いとトラックレールが動いてしまいそうです。
ただ、持ち上げるのも載せるのも、ちょっとかったるいのは間違いないです。
(4)平板しか切れない
一般的な丸鋸と違って、角材切ったり、持ち上げて高い所で使ったり、家具の解体(切断)とかに使ったりすることはかなり無理があります。
なので、自分も解体用に1つ、普通の丸鋸を持ってます。
ただ、「幅の狭いものはトラックレールが載せられないので切れない」ってことは無いです。
同じ厚さの板を隣に置けば、何の問題もなく切断可能です。
使い方
Youtube動画の方を見ている方は分かると思いますので簡単に。
①墨線を引く
②トラックレールのゴムの先端と墨線が一致するように置く。
※この時、クランプなどは不要。置くだけで大丈夫です。
③トラックレールの上にプランジ丸鋸をセットする(上から置くだけ)
④トリガーを引いて回転を始め、同時に上からレバーを倒すと刃が下に出るので、そのままカットする。
以上です。
もはや説明は不要だと思いますが、とにかく簡単です。
ただ、唯一経験が必要だとしたら、墨線の位置を狙う時、ほんのちょっとだけズラして置く必要がある、と言うことです(ドンピシャに置くと小さくなる)。
これはトラックレールの先端のゴムが使っていると少し削れてしまうからです。ので、使っている時は切った後に再度寸法を測る、と言うことを習慣にした方が良いと思います。
まとめ
以上がプランジ丸鋸+トラックレールの紹介になります。まとめると
①初期投資が高額だが、3'×6'板を材料のメインに据えると元は取れる。
②大板合板が使えるようになると、大型収納の製作がDIYで実現可能に。
③集塵・静音性能も優れ、特に室内DIYには強い味方。
④集塵機のBluetooth連動は是非欲しいアイテム。
と言った感じです。
ちょっと推し過ぎな感は否めませんが、私は本当にこの丸鋸とトラックレールがあったからこそ今があると言っても過言ではないので、全面的におススメ出来る代物だと自負しています。
今までちょっとした小規模DIYで止まっていた方も、これからやろうと思っている方も、このプランジ丸鋸を手にして新しい人生を送ってみませんか?(大げさすぎ?)
それでは今日はこの辺で!